夜空は嘘をつかない

難しいことは後回し

いつか世界に触れるまで

 

※例のごとくにーちゃん聖誕祭2023のネタバレを(少し)含みますのでご注意ください

 

 

「歌が1番自分の気持ちを伝えられる」という彼の言葉が好きだ。少し悲しそうなその声色も含めて。ただし卒業を明らかにしたうえで”どこに行ってしまったの”と歌うのは、言葉を選ばすに言えばずるいの一言に尽きる。

ずるいのに、さみしいのにそれでもこんなに好きなんだからしょうがない。

アイドルと言えば”愛してるという嘘”というフレーズが頭を過るようなこの世界のなかにいながら彼は全然嘘がつけない。彼の発する”好き”は私たちが受け取っている以上にきっと本物の感情だし、そう信じなくては彼が悲しげな表情をするのはこの何年かでわかったことだ。

 

嘘を吐けないそんな彼から私の内面をすごく的確な言葉で褒められたことがある。手紙やリプを読んでくれただけではなくて、そこに記した言葉以上のことを感じ取ってくれた。自分がなりたい理想像(ただし推しに対して直接言い表したことは無い)ぴったりのものを褒め言葉として急に渡してきたものだから、この数か月はそれを噛みしめつつ暮らす日々だった。この先変化を強いられようとも不変の根底として自分の中に守り続けたいような、そんな褒め言葉だった。

私にとってどんな局面でも隣にあり続けたのが言葉であるように、彼にとってのそれが歌なのかもしれない。練習スタジオで、はたまた自室にて、この世界のどこかでずっと紡いできたのだろう。彼の伝えたい意味そのままで受け取れているか正直自信はないけれどちゃんと、どんな風に受け取ったのか言葉にできる日々でありたい。私は言葉を書き連ねることで自分の世界に触れてきた。私もあなたに対して歌で返せたらなお良いが生憎その技術はないので、言葉で返させてほしいのだ。

 

聞き分けの良いふりをするつもりはなくて、本当はどうしようもなく寂しくて不意に涙して、全速力で走る他ないことはわかっていて、私がちゃんとあなたの思うような私で居続けられるかはわからないけれど。それでもまだ恩返しがひとつもできていないので、手始めにあなたに会えなかった3ヶ月半の話をさせてほしい。あなたにもらった褒め言葉とともに旅をしてきた私の話を、少しだけ聞いてくれたら嬉しい。私が私自身の為に選択できるようになった姿を見せることが、たぶん恩返しのひとさじになると思うから。

始まりの2019年、悩み苦しみながらも歩んだ2020年、またライブに足を運び始めた2021年、たくさんのはじめましてとひさしぶりを2022年に得て、そうやって鮮やかに進み広がった私の世界。手を引いてここまで連れ出してくれたのは紛れもないあなたなので、ひとまずこの世界のきらめきと彩に、あなたも触れてほしい。この幸福があなたにも伝わると、そう信じて。

 

 

子守歌でも鎮魂歌でも、私たちのところまで届かなくともいいから、あなたの歌がこの世界のどこかにあり続けることを、世界の片隅から祈っている。

 

にーちゃんへ

誕生日おめでとうございます

来年もその先も世界で一番祝福される存在であることを願っています

健康に、そして幸せでいられますように