「世界が広がった?」
色々な幸運が重なって沖縄、新潟、山口と3週連続で47ツアーに参加した。首都圏に住んでいる私にとってはなかなか足を運んだことがない土地への遠征が続く状態だった。どこもオタクとしては初来訪で、山口は人生初だった。季節柄どこも暑かったけどとても楽しかった。写真を見返す度、ライブを思い出す度、お土産に触れる度、楽しかったな〜という気持ちでいっぱいになる。良い旅ができた。
チケットを申し込んだり宿や交通を押さえたりそもそも行くことを決めるのは私自身であるが、結局のところ「大好きな人に連れてきてもらった」という気持ちになるのだ。だってきっかけをくれるのはあなただから。だから自然と「連れてきてくれてありがとう」という言葉が出る。「また連れてきてね」という約束をしたくなる。
沖縄は昨年人生初来訪を遂げたが、付き合いで来た形だったのでのびのびと楽しめたかというとそうでもなくて。でもいつか行きたいと思っていた場所ではあったので、今度は連れてきてもらうんだと心に決めていた。それがなんと1年経たず早々に叶ったので嬉しかった。せっかくだから存分に楽しみたいと思い2泊3日の予定とした。連日で開催される某バンドのライブにも行くことにした。
覚悟していたよりも暑く、少しの間屋外にいるだけで愛しのiPhone14は高温になり、昨年購入したカラーサングラスにかなり助けられた。正直入場列に並んでいる時が1番やばかった。入場してワンドリンクの水をもらうのがあれほど待ち遠しかったことはない。入場してからの方がむしろ涼しかった。でも沖縄の熱気に乗せられてなのか会場全体のボルテージも高く、新セトリ解禁日だったことも相まって、最高に楽しいライブだった。まさか2026年の5人体制の彼らでハロカバーが観れるとは!惚れ惚れするほどグルーヴ感が良く、最高だった。特典会の写真に写る私はあまりにも口角が上がっている。余程楽しかったんだね。
翌日はライブまで時間があったので、首里城に行ってみることにした。こちらもいつか行ってみたかった場所。電車の時刻くらいしか調べなかったのもあり想像以上に坂と階段がキツく、珍しくサンダルとスニーカーの2足持ちでパッキングしてくれた自分に感謝の意しかなかった。この日も快晴、あまりにも澄み渡る青空の下をひたすら登っていくのは大変だったけど、修復完成間近の美しい赤を見ることができて感動した。青空とのコントラストが非常に美しく、かいた汗が心地よく感じるほどだった。というか、普段仕事でかく様々な感情を含んだ汗より格段に気持ちよく汗をかいた気がしている。心が洗われた。
学生時代勉強をまあまあ頑張ってきて、積み重ねた知識が目の前の景色や経験と繋がっていくことの面白さも感じた。これまで頑張ってきた自分へのアンサーをもらえたような気がした。勉強をする目的って色々説かれているけれど、私にとってはこれだなと思った。自分の旅路を彩るもの。楽しい旅がより一層楽しくなる礎。これまで頑張ってきて良かったなあと思った。
新潟はたしか長岡の花火大会を眺めに行ったことがあるはずだが、しっかり観光したことはなかった気がする。上越新幹線に乗るのは初めてだったのでわくわくした。乗り慣れてきた東海道新幹線や幼少期から知る東北新幹線とは異なる車窓が新鮮だった。大宮から新潟ってあっという間なんだね。泊まりがけの遠征が続くので当初日帰りの予定だったけど、公演翌日にフリーライブがあると知って瞬時に計画を変更した。こういう軽やかさって大切。だってこれくらい軽やかに動ける方が、私の人生はきっと楽しいからね。
物販に行く前に白山神社に行ってみることにした。こちらも特に前情報なく足を運んだが、ちょうど夏詣とお祭りの季節だったようで、境内に並ぶ数々の風鈴が圧巻だった。じっとりと暑い日だったけど風鈴の音に気持ちが涼んだ。風鈴だけでなく提灯や蓮の花など見て楽しい箇所が多く、時間の限り歩いて回るのも楽しかった。こうしてお参りをすることが日常の私からうまく切り離してくれるような気がして好きだ。自身と友人たちと、それから大好きな人とそのチームの健康とツアーの成功を祈った。季節限定であろう風鈴と朝顔があしらわれたかわいらしいお守りをお迎えした。楽しい旅路を守ってくれますように。
不思議なタイミングで戻っていたチケットを取ったからか、入場は1番最後だった。他のドリンクが売り切れでコーラしか残ってないとかそんなことあるんだ。ライブは沖縄と一部セトリが違い、予想は外れてハロカバーはなんと曲目総取っ替えだった。ということは6曲覚えたってこと?にしてもダンスに迷いがなく、堂々と楽しそうで、私はやっぱりこの人が好きだなあと思った。個人的には9人時代を思い出す選曲もあり、自分がここにいる年月とその中で目の当たりにしてきた大好きな人の成長を想った。こんなに楽しい景色を見せてもらえるなんて、私はこの人が誇らしいなと思った。特典会でそれを伝えたら嬉しそうにはにかんだ後、俺もあなたの日々を応援しているよと返されてしまった。この人は今現場にいる私だけでなくそこに至るまでの日常の私のことも尊重してくれているのだと実感した。疑いなく信じることができた。その愛情に報いることができる人間でいたい。
さて、山口は初めて行く場所である。まず行き方もわからなくて色々調べるところから始まった。会場最寄りは新幹線駅だから東京から新幹線で行くことができる。羽田から飛行機で山口宇部まで飛び、そこから電車に乗る…飛行機に乗ったのに新幹線にも乗るルートがあるのか?なんなら乗り換え検索は福岡空港まで飛んでから電車を乗り継ぐ行き方を推してきた。どうしたらいいんだ?迷った果てに飛行機で山口宇部まで行き、そこからバスと新幹線を乗り継ぐ手段を取った。だって1回の旅路で飛行機にも新幹線にも乗れるなんて面白そうだと思ったから。その手段が1番手っ取り早かったのもあるけれど。
この日は入場整番に恵まれ、最前列に入ることができた。ライブハウスで最前って実はオタク人生初だった。近すぎて緊張したけど目の前の景色を余すことなく堪能できるのが嬉しかった。沖縄と同様のセトリだけどさらにパワーアップしたカバー演目はコールもできて嬉しかった。私はこのグループの、今を全力で楽しむ姿勢が本当に大好きで、5人それぞれのスタンスが好きだと実感した。コールしている時に確認するように目を合わせてくれる場面とか、嬉しそうに客席を見渡しているところとか、ステージと客席で成り立つコミュニケーションが大好きだ。あまりにも良い場所でその愛あるやり取りをたくさん観測した。
私の大好きな人は、目の前のお立ち台に足をかける際に必然的に視線が交わって、優しく微笑んでくれたのが嬉しかった。日々の色々なことを乗り越えてまっすぐ生きていれば、こういうご褒美みたいな良い日もあるんだなと思った。
私は恐らく生きていくだけでもストレスに感じることがそれなりに多く、日常を送るにも難儀なタイプなのかもしれないと大人になるにつれて実感している。音や光とうまく付き合っていくには工夫が必要だし、家に引きこもってゆっくり過ごす休日がないと自分を成り立たせられない。ゴシップを肴としてご飯が食べれるタイプでもないから、刺々しさが蔓延る場は苦手で人付き合いを避けてしまう場面もある。自分以外の人と関わるのが得意でないのに、誰もいないと寂しくて、ハリネズミのジレンマの典型例かもしれない。自分のことを美化するつもりは全くないけれど、客観的に考えた時に、もう少し意地悪に生きられた方が楽なんじゃないかとさえ思う。
冷静に捉えればアイドル現場に通うことにはあまり向いていないタイプなんじゃないか。そもそも社会生活に向いていない。卑下ではなく冷静にそう思うときはある。自分の範疇だけで暮らしていくのが最善策かも。
3週連続で遠征をするのは体調が大変な時もあったけど、毎週各地に行く機会をもらえるのがすごく楽しくて、いい経験をさせてもらった。山口公演の特典会でそう伝えたら、返ってきたのが冒頭の問いかけだ。毎週ライブを見て観光やグルメも楽しんで、様々な思い出を共有していく中で私の世界が広がっていることを感じ取ってくれたのだろう。なんて優しく、そして慈愛ある問いかけなんだろうと思った。
魔法使いのようなその人は、座り込んだこちらに合わせてしゃがみ込んで、隣で寄り添ってくれる。強引さを持たず、けれど思い遣ることは忘れず、同等の愛を返してくれる。のんびり屋さんだけど、大切なことは必ず言葉にしてくれる。だから大好きで、会いたくて、ステージに立つその姿を見ていたい。きっかけという名の魔法は私の世界を広げて、私の人生が楽しい旅をするためにあるのだと教えてくれた。この魔法を今はまっすぐ大切にして、続く旅路を愛していきたい。